リフォーム・リノベーション事例

第17回リフォームコンクール建設大臣賞作品

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第17回 住まいのリフォームコンクール建設大臣賞
 (公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催

  ~思いと自然が息づく家~

【建設大臣講評】

施主は子供1人を持っている3人家族で、在宅で仕事をする「SOHO」の機能が要求されていた。  最初は新築マンションの購入を予定したが、適当なものが見当たらないため、築後23年で74㎡の中古マンションを購入して改装することにした。その特徴をあげると、通風と日射、遮熱などへの対応を考慮して、新しい間仕切りの方法を採用したこと、及び内装仕上げに自然素材を多く使ったことと言ってよかろう。  間仕切りには、格子戸、プリーツスクリーン、摺上げ障子、置き家具等を使って、暮らしやすさを素直に実感できるように工夫している。それによってかもし出されるインテリアは、いかにも京都風で、いわゆるマンション臭がない。地域性を反映したインテリアを創り出すことに成功した好例といってよかろう。  次は自然素材についてであるが、施主は健康住宅に対して関心が強く、設計担当者との打合せによって一層知識が深まり、それが見事に成功している。普通には、自然素材は施工しにくく、その後の手入れも厄介であるが、施主は住まいは手を掛けて維持していくものと納得していた。この見識は京都の風土が生んだ住文化の成果といってよいものであろう。  水廻りの位置は従来のままであるが、使いやすさとイメージは大きく向上した。室内に置かれた伝統的な装飾品も、現代的な空間に巧みに溶け込んで、デザインの効果を一層高めている。  要するにこの作品は、「SOHO」という現代的な課題を、さり気なく解決するとともに、制約の多いマンションリフォームに新しいあり方を提案している。上記の諸点を高く評価し、建設大臣賞作品として推薦した。

【リフォームの動機】

最初に新築マンションを検討されていたが仕上げや間取りに満足いくものがなかった。そこで中古を購入し「子供たちの世代のために自然素材・エコ材を使用し、家づくりに自分達も参加する」というテーマのもと施主とともに家づくりがはじまった。
・ご主人の仕事場を兼ねた家としたい。
・家族みんな本が好きなので気持ちよく読書できる空間にしたい。
・採光・通風をいかした家にしたい。
・床は無垢のフローリングを貼りたい。
・水回りは機能的にしたい。

【設計・施工の工夫点等】

・家族の暮らしに合せて、将来子供室となる寝室以外はすべて透過性のある格子戸と家具で仕切り開放性を持たせている。このことは、本棚から本を手にとり好きな場所で読むという動作をスムーズにする上、通風と採光にも役立っている。
・現在子供の遊び場であり読書の場である和室は、将来夫婦の寝室となる予定。仕事場とはプリーツスクリーンで、ダイニングとは格子戸の上につけたワイヤーレールに布をかけることで仕切れるよう配慮している。
・床は防音システムの上にナラ無垢フローリングを貼り、水回りのクロスはオレフィン紙クロス、洋室は月桃紙クロス、ダイニングと和室はケナフ紙クロスを貼っている。トイレの床はリノリウム、洗面室は藤タイル、障子紙は月桃紙とすべての仕上材にエコ・自然素材をとりいれている。なお、フローリングと建具については施主がペーパーをかけて自然塗料を塗られた。
・京都という地域性をいかして、襖紙には京唐紙が採用されている。
・市販品のキッチンでは仕上げ使い勝手共に納得できなかった施主と打合せを重ねた。食器洗い乾燥機・ガスオーブンコンロを組み込み、シンク下のゴミ置き場を設け、みせる収納、手焼きのタイルの仕上げにいたるまで施主のこだわりがはいっている。
・洗面は旧洗濯機置場に洗面カウンターを配置、電気温水器と洗濯機はガラリ戸で隠しお手持ちのミラーの雰囲気にあわせた。
・障子はすべて擦り下げで、床座の暮らしから空を眺められるようになっている。

形態
マンション
家族構成
3人
築年数
23年
工事費用
約950万円
工事期間
約40日
リフォーム面積
約74.3㎡
リフォーム部位
キッチン、リビングダイニング、和室、書斎/子供室/寝室、洗面/浴室/トイレ、玄関/廊下

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北欧風のナチュラルな空間へリノベーション。インテリア性の高い木製扉のキッチンへ。壁一面のクロスやリビングの扉材はブルーグレーで統一しました。
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工事費用:約1,600万円(税込)
リフォーム面積:約72㎡