第19回リフォームコンクール総合部門優秀賞作品
第19回 住まいのリフォームコンクール総合部門優秀賞
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催
~風と会話が結うくらし~
【リフォームの動機】
60代のご夫婦が長年の不満を解消すべくリフォームをすることに。
・身体になじんだ居室配置や家事動線は大きく変えないで、使い勝手・風通しの悪さを解消したい。
・床上げ和室を効果的に取り入れること。
・奥様のお姉様が同居された時のことも考慮すること。
・キッチンはLDから見えないようにすること。
【設計・施工の工夫点等】
・風通しを良くする工夫として、①客間~勝手口~洗面室 ②洋室~LD~玄関 ③寝室~書斎へ抜ける3本の通風ルートを確保した。
・客間とキッチンの間には、サービス動線を短くすること、風をキッチンまで取り込むこと、調理の合間の腰かけスペースとして有効に利用できることを目的として、障子で仕切られた開口部を設けた。
・勝手口を設けたLD入口の格子戸は造付家具の後ろにすっぽりと引き込める。開け放った時にも美しく見えるように、建具枠は壁に埋め込むなど、細部の納まりにもこだわった。
・将来的には、寝室をお姉様の部屋にする予定。来客時には、通風ルート③を通って水廻りに行くことができ、お姉様も気兼ねなく生活できるよう配慮した。
・来客時にも対応できるオープンな間取りとしているが、引戸の可変によって個室も形成できるフレキシブルなプランとした。
・客間には梁の出っぱりを逆手に取って、はしご状の飾り棚を設けた。障子を閉め切った時にも視線や風が抜ける工夫である。
・LDとキッチンの境の収納部分には手持ちの家具が全て納まっている。客間側からは通風と採光を取り入れながらも、LDからの視線は遮る、独立型キッチンとした。
・全体として、室構成は大きく変更していないが内装は全て剥がし、壁面や建具のディテールを改めることにより、空間全体の質を向上させることを意図した。また、いくつもの通風ルートと回遊性を持たせ、人も風も行き来しやすい空間とした。
・トイレ、洗面室の小窓からも風を取り入れる為、それぞれの扉に無双窓を取付けた。
・将来のことも考慮し、トイレの扉は親子扉に変更。又、廊下の壁面には可能なかぎり手摺用下地を設けている。
・下駄箱や洗面入口に取付けた手摺も、空間になじませるようデザインを整えた。
・玄関には奥様のご要望であったベンチやつくばいを設け、主婦のちょっとしたおしゃべりのコーナーとしている。
- 形態
- マンション
- 家族構成
- 2人
- 工事費用
- 約1,007万円
- 工事期間
- 約34日
- リフォーム面積
- 約97.1㎡
- リフォーム部位
- リビングダイニング、収納、和室、玄関/廊下
間取り
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