新たな価値の創造
長谷工グループでは、異業種企業や大学、研究機関と協業し、自社アセットを活用して様々な実証を行い、新たな付加価値や市場機会の創出を模索しています。建築デザイン、技術開発等のアプローチに加え、顧客志向によるマーケットイン型のソリューション開発を推進。マンション・住宅等既存の事業領域に留まらず、幅広くDXの可能性を追求します。
取り組み方針
①FIT-PJ 新規事業開発プロジェクト
2018年にFuture（未来）/Innovation（革新）/Transformation（変換）の頭文字を取った「FIT-PJ（フィットプロジェクト）」を発足しました。グループ各社から中堅・若手社員が集結し、顧客のニーズを的確に捉えた革新的なサービスや商品の開発に取り組んでいます。
②HDTL デジタルデザインの研究
HDTL（HASEKO Digital Technology
Lab）は、デジタル技術を駆使し、より高度な設計・建設手法の研究、習得を目的としたオープンラボとして開設をしました。プロジェクトごとにチームを組成し、外部の研究機関や企業・組織と連携しオープンイノベーションを目指します。
③DXチャレンジプロジェクト
2023年4月に長谷工アネシス価値創生部門にDXチャレンジPJを設置。2022年度DXアカデミー「イノベーションリーダー育成プログラム」に参加したメンバーから公募し、グループ各社より5名を配属しました。DXアイデアの具現化や、メタバース、生成AIなど新しいソリューション活用に挑戦中です。
取り組みハイライト
FIT-PJ分譲マンション管理組合向けサービス「smooth-e（スムージー）」
分譲マンションの管理組合運営において理事会の設置が不要となる「外部管理者方式」の採用と、区分所有者全員がオンラインで気軽にマンション管理に関われるシステムとの組み合わせにより、新しいマンション管理のカタチを提供する「smooth-e」サービスを2021年8月よりリリース。FIT-PJの一環で開発され、マンション管理における意思決定プロセスのデジタル化を実現しました。
「理事会役員の担い手不足」や「建物修繕への専門的な対応」、「区分所有者間の合意形成の複雑さ」などに不安を抱える既築マンションの管理組合からの支持を得ています。また、付加価値の高い管理サービスとして、新築マンションのデベロッパーからも高い評価を受け、新築マンションでの採用も年々増加しています。
HDTL コンピュテーショナルデザイン／AI
HDTL（HASEKO Digital Technology Lab）は、設計部門の有志メンバーが外部の有識者と連携し、デジタル技術を活用した設計やAI/自動設計、シミュレーション設計などを研究テーマに、エビデンスに基づく高度な設計、建築手法を探求するオープンラボ。技術転用先が明確でない新しい技術・知見を広い視野で研究・検証し、その活用方法を模索しています。
■コンピュテーショナルデザイン
3次元モデルをベースにプログラミングやAIを活用し、人が行ってきた設計プロセスをコンピュータに代行させる「コンピュテーショナルデザイン」手法を用いて、膨大なデザインバリエーションの創出を試行中です。太陽の光、水面のきらめき、風の流れなど五感を刺激する様々な建築デザインを生み出し、マンションのファサードやエントランスホールのアートパネル等に提案しています。
■インスタレーションによる空間演出
コンピュテーショナルデザインを応用し、㈱カネカの有機EL照明システム「KUMIKO」を活用したインスタレーションを「サスティナブランシェ本行徳」のエントランスホールに実装。外部の風の流れや照明の前を通る人の流れをセンシングし、そのデータを光の演出にフィードバックしています。
■AI設計の可能性研究
2021年3月より、ディープラーニングを用いた画像認識・生成技術を有する㈱インキュビットと共に、次世代マンション設計システムの開発に取り組み、長谷工版BIMのデータから直接学習するAIの構築に成功。マンション設計業務の劇的な効率化を目指し、今後も自動設計やAI設計の実現可能性を追求していきます。
DXチャレンジPJ 長谷工暮らしのメタバースプロジェクト
DXチャレンジプロジェクトの一環として「長谷工 暮らしのメタバースプロジェクト」を立ち上げ、マンション販売やインテリア検討、イベントなどいくつかの領域におけるメタバースの活用を推進。「住まいと暮らしの未来のあたりまえ」をつくることをコンセプトに、仮想空間における体験が現実の生活にどのような価値をもたらすのかを模索中です。プロジェクトの第1弾として2024年6月より「メタバースモデルルームツアー」サービス、第2弾として同年8月より「長谷工住まいのデザインコンペティション IN メタバース」を公開しています。
メタバースモデルルームツアー
WEB上のメタバース空間に再現したマンション住戸や共用施設を、マンションの購入検討者が時間や場所を選ばずパソコンやスマートフォンなどで見学し、実際の生活をイメージしていただくことが可能です。なお、メタバース空間の物件はBIMデータから作成しており、間取りや設備、家具・インテリアなどの質感を忠実に再現。また、室内にある各種設備の情報は、メタバース空間にポップアップで表示され、画面上で確認できます。
長谷工住まいのデザインコンペティション in メタバース
建築を志す若手の人材育成を目的に開催している「長谷工住まいのデザインコンペティション」の第17回最優秀作品を、オンラインゲーム「Fortnite」のメタバース空間に再現。誰でも作品を見て回ることができ、作品コンセプトを体感できます。若年層の創作意欲を刺激し、将来の建設業界の振興に寄与します。
