長谷工コーポレーション × 東京大学建築学専攻T_ADS 「URO‐CO」‐新しい木の可能性を探るパビリオン

東京大学のT_ADS(東京大学建築学専攻 Advanced Design Studies)は、最先端のデジタルテクノロジーと自然素材と職人の技を架け合わせることで、21世紀の新しい建築のあり方を追求しています。2013年より毎年、ゼネコンと共同で実験的なパビリオンの制作に取り組み、2018年度は、長谷工コーポレーションがパートナー企業となりました。
自然素材として、住生活と古くから密接な関係がある「木」を選び、「空気」「光」「音」という3つの視点から木の新しい可能性について、2017年10月からリサーチを開始し、設計にあたって多くの議論を重ねました。
その結果、木そのものが構造として機能しているようなシステムを探求することとなり、誕生したのが、板にあける穴の密度を変化させ、視線透過度・曲げやすさ・弾性を制御する「ウロコシステム」です。2018年12月に最終デザインが決定し、隈研吾教授の指導の下、学生たちと長谷工の若手設計スタッフと協業でパビリオンの制作にあたり、このたび完成しました。

【「URO-CO」概要】

制作期間:
2017年10月~2019年3月
設  計:
東京大学建築学専攻T_ADS 隈研吾氏(教授)、小渕祐介氏(准教授)、 佐藤淳氏(准教授)、平野利樹氏(助教)、他 ㈱長谷工コーポレーション エンジニアリング事業部
合板製作・加工:
(株)ニッタクス、(株)アルク
<参考>
東京大学建築学専攻T_ADS(Advanced Design Studies)
隈研吾教授、小渕祐介准教授らにより、最先端の建築デザイン教育・研究プログラムの展開を目的に2013年に設立。T_ADSでは、全授業英語化によるグローバル教育環境を基盤に、建築に関わる広範かつ包括的なテーマを取り扱う複数のラボが立ち上げられている。
その主要なラボのひとつである「Digital Fabrication Lab(通称DFL)」では、ゼネコンと連携して、毎年1棟ずつ実験的パビリオンを実際に建設し、デジタル技術と日本のゼネコンの技術がいかに複合できるかを研究している。2013年~2017年までスーパーゼネコン5社と共同で‘建築施工におけるデジタル技術の活用’をテーマに制作し、パビリオンは東京大学の本郷キャンパス内(中庭・広場)に展示されてきた。