長谷工コーポレーションは、不二サッシとRFID(※1)を用いた“建設部材の一元管理”の実証を開始します。
国内外の産業においてAI、センサー、通信、ロボットなどICT関連技術が進歩・進化しており、長谷工グループにおいても労働者不足や労務費と材料費の上昇、お客様ニーズの多様化(少人数世帯化、高齢化)、環境問題の深刻化等の環境認識のもと、集合住宅の設計・施工における生産性向上や入居者の生活の質向上に向けたICT活用を推進しています。
長谷工グループにおけるRFIDの活用は、「建設部材の生産・出荷・在庫の管理」や「工事進捗の見える化」、「保守におけるトレーサビリティ(追跡機能)」などの実現を目指し、“ステップ1”として2017年7月より長谷工グループのフォリスが製作している内装材(木製建具の扉や木枠、額縁など)にてトライアル実証を開始しました。
現在推進中の“ステップ1”においてその実現可能性が見出せたことから、本格運用を見据えたシステム構築の検討に加え、当社グループの垣根を越えて各協力会社との連携を目指す“ステップ2”に着手することとし、外装材メーカーである不二サッシとの実証を開始しました。今後は、更に他の内外装部材にも範囲を拡大し、建設部材の一元管理による業務効率化や、住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム(BIM&LIM)構築によるサービス向上を図ってまいります。
(※1)Radio Frequency
Identification;無線を利用して非接触で電子タグのデータを読み書きする自動認識技術
【RFIDを用いた建設部材の一元管理】
- 建設部材の生産・出荷・在庫の管理 (製造・加工の管理、出荷品の過不足)
- 工事進捗の見える化(荷卸し品の過不足、部位と予定品目の照合、施工完了チェック、出来高確認)
- 再製作データの取得、不具合情報の照合(保守、追加発注におけるトレーサビリティ)
【使用機材・タグ】
■RFIDタグ
ICチップとアンテナを内蔵するRFIDタグに固有のIDを記録。シール型のRFIDタグを製品に貼り付ける。
■RFIDリーダーライター
RFIDタグに電波を当て、返ってきた情報を読み取る機器。5~10m先のデータを読み込むことが可能(無電力)。上部にはスマートフォンが搭載され、無線通信回線を用いてクラウド上のデータベースに情報を書き込む。
【オープンイノベーションパートナー】
不二サッシ株式会社
本社:神奈川県川崎市幸区鹿島田1丁目1番2号
創業:昭和5年7月7日
資本金:17億円
代表者名:代表取締役 吉田 勉
【長谷工のICT活用】
これまで、長谷工版BIM(※2)の普及への取り組みや、建設作業所の測量・管理・検査におけるドローン活用やAR・MR技術を用いた検査などについての実証を進めてきました。
今後は、センサーネットワークの構築、AIやロボットの活用、クラウドサービスアプリケーションの開発などICT活用を本格化すると共に、「住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム」の構築に向け、各種メーカーやベンチャー企業、大学や研究機関と幅広く連携をとり、オープンイノベーションを推進してまいります。
(※2)BIMの特徴である連動性・可視性・一元性に加え、長谷工グループの設計・施工のノウハウを組み込むことで設計品質と生産効率を向上