2017年05月19日
長谷工コーポレーションとジャパン・エンヂニアリングは、排水管再生技術「HJインコア工法」(※1)について、10,000戸以上の施工実績をもとに建設技術審査証明(BCJ-審査証明-233:2017年1月19日)を取得しました。
排水管は、築30年前後から漏水などによる修繕時期を迎え、新しい管への取り変える更新工事や、既存の管の研磨・洗浄・コーティングなどによる更生工事が必要となります。当社では、費用負担や工事中の生活への影響を軽減する排水管の再生工法の開発や採用を進めております(※2)が、「HJインコア工法」は排水管の傷んだ個所に絞って補強するため、住まいながら、短工期・低コスト、低振動・低騒音で工事が可能です。
今後は公的な評価を受けたことを契機に、グループで大規模修繕等を手掛ける長谷工リフォームが高経年マンションの管理組合への提案を強化してまいります。
(※1)長谷工コーポレーションの頭文字のHとジャパン・エンヂニアリングの頭文字のJ、更生に使用する樹脂管(コア)を挿入(イン)する工法から「HJインコア工法」と命名しました。排水管が耐久性の高い銅管や鋳鉄管の場合に有効な工法です。
(※2)2005年にジャパン・エンヂニアリングと共同開発した「HAM-J工法」は、既設の排水立て管を新しい管と取り替える更新工法と、排水管内面を繊維補強樹脂等でライニングする更生工法を組み合わせた独自の工法で、居住性・経済性・施工性に優れています。
【「HJインコア工法」の特長】
1.住まいながら施工・短工期
工事は1住戸3時間程度(標準)、1系統を1日で通水可能で住まいながらの工事ができます。
2.低コスト
傷んだ個所に絞って補強するので、従来の更新工法に比べて50%~70%以下のコストで再生できます。
3.低騒音・低振動
立管と横引管との合流部の壁面に点検口を設けて作業します。コンクリートのハツリ工事がなく、既設配管の切断・研磨時に音が発生する程度で工事ができます。
【「HJインコア工法」の概要】
「HJインコア工法」は、排水立管をそのままで合流部の傷んだ個所に絞って補強して再生できる工法です。また、コンクリート床を壊さず施工できるので、工事中の騒音・振動を抑えることができます。費用負担や工事中の生活への影響を軽減する居住者への負担が少ない排水管再生技術となっています。
大まかな作業手順は次のとおりです。
① 接合部の既設横引管を切断し撤去します(既存立管はそのままで撤去は不要)。
② 穴が開いた個所や薄くなった個所を、エポキシ樹脂が主成分のフェニックス再生材で補強します。
特殊塩化ビニル製形状記憶樹脂管(コア)を継手内部に挿入(イン)します。
熱風機で熱を加えてインコアを膨張させ、継手内部に圧着します。
横引管を新しい管に交換して接合し配管を復旧します。接合には、排水用突合せ接合継手「NO-HUB継手」を使用します。
【建設技術審査証明の取得】
HJインコア工法は、2007年に実用化して以来、これまでに10,000戸以上の施工実績があります。こうした実績をもとに、日本建築センターに審査証明を依頼し、HJインコア工法専門委員会:鎌田委員長(東京大学名誉教授)大塚委員(関東学院大学教授)より、技術内容について審査証明をいただきました
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